解説:生命保険と財産分与

生命保険も、財産分与の対象になり得るものです。

生命保険は、通常、契約者が、解約をすればそれまでに支払った保険料の額に応じたお金を保険会社から返してもらえるので(解約返還金)、財産的な価値を有するものだからです。

しかし、財産分与の対象となるのは、夫婦が共同生活を営むことによって形成した財産(共有財産)です。

夫が被保険者の生命保険であっても、夫の母が契約者で保険料を支払っているのであれば、解約返還金を受け取れるのは、夫の母ですから、その生命保険は夫の母の財産であり、夫婦の共有財産ではありませんから、財産分与の対象にはなりません。

生命保険の契約者が夫だが、保険料を支払っているのが夫の母という場合は、少々複雑になります。

実質を重視して、生命保険を夫の母の財産として扱い財産分与の対象としないこともありえます。

解約返還金を受け取れる契約者が夫であることを重視して生命保険を財産分与の対象とすることもありえます。