読者の皆さん、突然ですが、アエルっていうサラ金はご存知ですか。
もともとは、日立信販を名乗っていたのですが、最近はアエル、もしくは
キャッシングのアエルと言ったほうが、分かりやすいかもしれません。
この会社が、以前は、会社更生という手続き(下に書いたように破産せずに立ち直る手続き)をして、ようやく終わった(立ち直った)かと思えば、今度は、民亊再生という似たような手続きを最近始めてしまいました。
これが皆さんにどう言う意味があるか理解してもらう為に、
まず、会社更生や民亊再生を説明しますと、
会社も、お金に困ると破産をします。普通に。
但し、会社が破産すると、個人である皆さんが破産した時と全く違って、会社は死亡してしまうのです。本当に。
すると、場合によっては、この会社は、今ピンチだけど、死亡させるにはもったいない、と思う場合があるのです。
かといって、「ピンチ」なわけですから、そのまま、負債を払うことも出来ません。
じゃあどうするか???。
こうするのです。
「うちの会社は借金だらけ。到底皆さんへ全ての負債は払えません。
しかし、うちの会社は、破産したら、法人は死亡してしまいます。 もしそうなれば、従業員も困りますし、まだまだビジネスとして可能性がありますので、もったいないのです。
ましてや、皆さんへのお支払も、破産したら、今ある財産を配るしかないから僅かになってしまうのです。少し頑張れば、儲けも少しは出て、皆さんへの返済も、沢山とは言いませんが、僅かではなくなるでしょう。
そこで提案なのですが、皆さんの債権を少しだけカットしてもらって、会社を存続させてくれないですか。どのくらいのカットになるかは、計画案でお示しします。
その計画案が、多数決で通れば、それに沿って頑張りますので、是非賛成して下さいね。」
おおざったぱにいえば、こうやるのですが、それをやるのが民亊再生や会社更生なのです。
で何が関係あるの?っていう感じですか。
皆さんの中には、アエルから長く借りていて過払いの人がいませんか。
もしくは、いつも申し上げているように、完済している方もそうです。
グレーゾーン金利を全て払ったわけですから、当然過払いです。
そんな皆さんは、アエルからみれば、「債権者」なのです。 ですから、再生に賛成するかどうか、投票する権利があるわけです。
「いいや私は債務者です。」そういうリアクションもあるでしょう。
勿論、まだ短い年月しか返しておらず、しかも完済してなければ、確かに、アエルに対する債務者です。
しかし、そうでなく、上で書いたように、長年返したり、完済していれば、
グレーゾーン利率上は、「残ありの債務者」「完済してゼロ」のひとでも、引き直せば充分過払いであり、「債権者」なのです。
とすると、債権者の皆さんは、アエルの、再生手続きに乗っかって、アエルの出す(再生)計画案を賛成するかどうか判断しなければいけないわけです。
もし乗っかり忘れると不利益を受けるおそれがあります。
そして、その乗っかり方ですが、まずは、「債権届出」(「私は債権者ですよ」という通知)が必要です。その上で、計画案に将来賛否を決めることになります。
「債権届出」の仕方、或いは、その前提として過払いがあるかどうかの、 「債権調査」の方法は、アエルにお問い合わせするか、各弁護士・司法書士
に相談するといいと思います。
まあしかし、会社更生という手続きで再起したはずなのに、また、民亊再生とは・・。
だから過払い請求が多すぎるからよくないんだ、っていう論調に裁判所がならないことを祈るばかりです。
以上、ことの深刻さから今回は真面目に書いた石原でした。
それでは又次回。